こんにちは、ラベンダーです。
能登半島地震の発生から9か月。
能登豪雨により被害が拡大し、復旧がリセットされてしまった面もありますが、
発災後9カ月時の状況をデータ中心に見てみたいと思います。
富山県と新潟県の被害状況
まずは、富山県と新潟県の最新被害状況です。
<死者・負傷者>
死者2人(うち災害関連死2人)
重傷者13人、軽傷者41人
なお、令和 6 年 6 月 3 日の地震による負傷者として重傷1人(富山市)、軽傷1人(滑川市)
<住家被害>
全壊257棟
半壊797棟
一部損壊20,926棟
未分類7棟
<避難所>
令和6年1月26日で全て閉鎖
<断水>
令和6年1月21日で全て解消
<死者・負傷者>
死者2人(うち災害関連死2人)
重傷者9人、軽傷者44人
<建物被害>
全壊109棟
半壊3933棟
一部損壊18,658棟
床下浸水14棟
非住家68棟
<避難所>
令和6年3月31日で全て閉鎖
<断水>
全て解消
以後は、石川県についてです。
人的被害(石川県)
<死者>
408人
うち、災害関連死181人
<負傷者>
重傷者337人
軽傷者876人
(豪雨災害による被害者は除く)
建物被害(石川県)
<住家被害>
全壊 6,053 棟
半壊 18,074棟
一部損壊 64,124棟
床上浸水6棟、床下浸水5棟
合計 8万8262棟
<非住家被害>
公共建物 131棟
その他 34,656棟
合計 3万4787棟
(豪雨災害による被害は除く)
公共土木施設の被害(石川県)
<公共土木施設の被害>
7922億円(ただし、査定完了20%)
石川県によると、県や市町が管理する道路や河川堤防の損壊、下水管の損傷などの被害件数は5月末時点で約8300件確認された。
被害総額7922億円のうち最大は道路の4131億円。下水道1429億円、河川1223億円と続く。
ただし、査定20%時点の数字なので、今後査定が進むと被害総額はさらに増大する。
最終的には、数兆円になることが予想される。
避難所(石川県)
<市町1次避難所>
避難所18か所、避難者147人
(ただし、豪雨災害による避難者は除く)
<県避難所>
1.5次避難所(スポセン)0人
2次避難所31か所、避難者115人
合計262人
(ただし、豪雨災害による避難者は除く)
なお、豪雨による1次避難者は、10月1日現在で454人
仮設住宅(石川県)
<仮設住宅>
<要望>6804戸 <完成済>6488戸(10月8日現在)
残るものについては、以下の完成見込みになるよう。
(中能登町)中能登町運動公園 10月中
(宝達志水町)旧町営住宅曙団地 11月中
(内灘町)室地区 11月下旬
(珠洲市)
若山町古蔵民有地 未定
飯田高校下バスロータリー 10月下旬
旧図書館駐車場 10月下旬
野々江町第6団地 11月上旬
上戸寺社民有地 11月上旬
旧上黒丸小学校グラウンド 11月中
横山民有地 未定
蛸島港① 11月上旬
大谷小中学校グラウンド 未定
道の駅狼煙駐車場② 未定
見附公園④ 10月中旬
見附公園⑤ 未定
(輪島市)
ゾウさん公園用地等 10月中旬
公費解体(石川県)
<申請>29634棟
<完了>5096棟(公費解体・緊急解体・自費解体の合計)
(公費解体の完了は、4173棟)
全体の約16%が解体完了(公費解体・緊急解体・自費解体の合計)
人口流出問題(奥能登)
<人口流出>
奥能登4市町では、8カ月間で人口が6・8%減少した。(令和6年9月1日時点)
奥能登地域の4つの市と町の転出者の数は、1月1日から8月末までであわせて3218人。
廃業問題(奥能登)
<廃業>
能登半島地震で被害が大きかった奥能登の石川県珠洲市、輪島市、能登町、穴水町の4市町で、6月下旬までに約130の事業者が被災後に廃業したか、廃業を予定していることが産経新聞の取材で30日、分かった。
2市の商工会議所、2町の商工会に、それぞれの会員で廃業または廃業予定の事業者数を聞いたところ、輪島市で47、珠洲市で約50、能登町で18、穴水町で15だった。
(以上、6月30日産経新聞の記事による)
医療インフラ問題(奥能登)
<看護師退職>
奥能登地域にある四つの公立病院で60人以上の看護師が退職したり、退職の意向を示したりしている。
これは、看護師の総数約400人のうち約15%にあたる。
<介護職退職>
また、厚生労働省が2024年3月に行った調査によると、能登6市町の介護職は地震前からおよそ3割減少しています。
看護師 15%以上減少
介護職 およそ3割減少
<奥能登公立病院>
珠洲市総合病院・出島彰宏 医師:
「能登の(公立)4病院は赤字が続き財政維持が困難。医療はインフラと同じなくてはならないもの。医療との距離が生じてしまうと能登北部に暮らし続けることは困難。人が住まない地域となることが危惧される」
奥能登4つの公立病院について診療科不足や財政の維持が難しいことなどから将来4つの病院の機能を集約した統合病院の建設を要望しました。
また課題として離職者が増加し医療従事者が不足している現状にも触れ対応を求めました。
2024年10月8日テレビ金沢
農業(奥能登)
<作付け>
(以下、上記7月2日日本農業新聞の記事による)
(輪島市)
2023年産の作付面積988ヘクタールの約5割となる500ヘクタール弱が作付け困難となった。農地被害や設備の故障の他、「長期避難世帯が多数おり、そもそも耕作者がいない」(市農林水産課)という。
(珠洲市)
珠洲市は前年の45%に当たる340ヘクタール減。減少分には一部、高齢化による離農も含むが、市産業振興課は「農地被害だけでも344件あり、被害額は19億円超。地震による作付け困難な面積が相当あるはずだ」と話す。
(穴水町)
穴水町は前年の4割に当たる100ヘクタール減。
(能登町)
能登町は集計中だが、前年の作付面積752ヘクタールのうち「8割で作付けできた」(農林水産課)とみている。
(志賀町)
最大震度7を観測した志賀町では、パイプラインの漏水や「地盤沈下して植えた苗が水に漬かった」(町農林水産課)事例など、作付け後の被害報告が相次いでいるという。
(内灘町)
河北潟干拓地で液状化被害の生じた内灘町では、8割以上減少。同干拓地では大規模な基盤整備が必要で、JA石川かほくによると約50ヘクタールが作付け不可能とみられる。
<畜産>
畜産関係では、県内の乳牛・肉用牛の生産者4戸が6月末までに廃業した。経営再開に時間がかかっていたり、飼養頭数を減らしたりする生産者もいて、厳しい状況は続いている。
石川県酪農業協同組合によると、県内31戸の酪農家のうち、震災前に能登半島で経営していたのは16戸。6月末時点で12戸が出荷再開し、2戸が廃業した。他に、1戸は7月中下旬の集乳再開を見込む。もう1戸は経営継続の意向があるものの見通しが立たない。県南部の15戸は出荷を続けている。
肉用牛では、繁殖・肥育経営合わせて県内34戸のうち、25戸が能登半島で経営していた。数頭程度に規模縮小した生産者を含めて、6月末時点で23戸が経営を再開。2戸は廃業した。
農林水産関係被害のまとめ(石川県、新潟県、富山県)
農林水産関係の被害~農林水産省のデータによる(7月30日現在)
(豪雨災害による被害は含まれていない)
<石川県>
・農業用ハウス・機械・果樹棚等 1,650 件で被害、農作物 22 件で被害、畜産農家で断水 15 件、施設損壊 64 件、生産物廃棄・家畜被害 43 件、道路損傷 11 件、畜産関連施設2件で一部破損等、共同利用施設 139 件で建屋・設備の損壊等
・農地 1,688 か所、農業用施設等 5,337 か所の被害
<新潟県>
・農作物(いちご・チューリップ等)の廃棄・収穫不能、パイプハウス 17棟で被害、農作業場等 400 棟で被害、畜産用施設4件で破損・地盤沈下等、農業機械 30 台で被害、養蜂箱2件で破損、共同利用施設 49 件で一部損傷等、JA 米倉庫等 18 棟で荷崩れ・一部破袋等
・農地 148 か所、農業用施設等 651 か所の被害
<富山県>
・樹体(りんご)1本で倒伏、農業用ハウス1件で入口傾き等、農業用倉庫等 17 件で地盤沈下・床面液状化等、畜産用施設6件で斜面崩落、一部損傷等、共同利用施設 58 件で外壁亀裂等、農業機械5件で破損、食肉流通施設で地盤沈下等
・農地 407 か所、農業用施設等 2,020 か所の被害
<石川県>
・林地荒廃 91 箇所、治山施設 52 箇所、林道施設等 2,246 箇所、木材加工流通施設 36 箇所、特用林産施設等 23 箇所の被害
<新潟県>
・林地荒廃1箇所、林道施設等8箇所、木材加工流通施設2箇所、特用林産施設等 29 箇所の被害
<富山県>
・林地荒廃5箇所、林道施設等 29 箇所、木材加工流通施設6箇所、特用林産施設等9箇所の被害
<石川県>
・漁船の転覆・沈没 52 隻以上、座礁 68 隻以上、一部損壊 176 隻以上、流出 44 隻以上(18 隻が新潟県の沿岸に漂着)、カキ等の養殖施設5件の破損等、水産総合センターの配管の破損等の被害、60 漁港で防波堤、岸壁、臨港道路の損傷等(志賀町から珠洲市の外浦海域の漁港では、地盤隆起による海底露出)の被害、漁業集落排水施設 13 か所で損傷等、水産業共同利用施設(荷さばき所等)34 か所で損傷等、漁業用施設 75 か所で損傷等、6漁港海岸で流木等の漂着
<新潟県>
・漁港内で漁船 17 隻が横転、破損等、海中に設置していた刺し網等、保管中の漁網の流出、大型定置網のアンカーロープの切断、陸上水槽の稚ナマコの流出、液状化による漁協事務所の傾き等、3漁港で臨港道路の破損等の被害、水産業共同利用施設(荷さばき所等)7か所で液状化等の被害
<富山県>
・漁船の沈没3隻、破損5隻、大型定置網、小型定置網、かご縄及び刺網83 件の破損又は流出等、サクラマス、アユの陸上養殖施設3件の破損及びサケ稚魚の斃死等、海洋深層水取水施設の配管破裂等、10 漁港で岸壁、護岸の沈下、臨港道路の破損等の被害、1漁港海岸で離岸堤損傷の被害、水産業共同利用施設(給油施設等)52 か所で傾きや損傷等の被害
(1) 防災重点農業用ため池
・新潟県1か所、富山県 11 か所、石川県 280 か所、福井県1か所で堤体に損傷を確認
(2)ダム
<石川県>
・国造ダム1か所の目視点検において、堤体天端のアスファルト舗装にひび割れを確認、ブルーシートによるひび割れ部分の保護を行い、ダムの水位低下を実施中、また、同県の別の国造ダム1か所で目視点検において、堤体天端と取付道路との間に段差を確認。ダムの水位低下を実施中
・補助ダム1か所の目視点検において、堤体天端のアスファルト舗装に軽微なひび割れを確認、ブルーシートによるひび割れ箇所の保護等を実施中
(3)農村生活環境施設
農業集落排水施設の被害は、新潟県11か所、富山県 120か所、石川県 72 か所
(4)林地荒廃・治山施設
<石川県>
多数の林地荒廃や治山施設被害があり、能登半島地震山地災害緊急支援チームにより、避難所周辺等の緊要度の高い森林及び治山施設の緊急点検を実施し、次期降雨による災害の危険性の高い地区について、応急対策を行うとともに災害復旧等事業の申請を実施中
また、この他の道路等インフラ周辺の山腹崩壊地の点検を実施中
以上の情報より、石川県の主な被害をまとめます。
<農業>
農地 1,688 か所の被害
農業用施設等 5,337 か所の被害
農業用ハウス・機械・果樹棚等 1,650 件
畜産農家で断水 15 件、施設損壊 64 件
生産物廃棄・家畜被害 43 件
道路損傷 11 件
共同利用施設 139 件で建屋・設備の損壊等
<林業>
林地荒廃 91 箇所
治山施設 52 箇所
林道施設等 2,246 箇所
木材加工流通施設 36 箇所
特用林産施設等 23 箇所の被害
<水産業>
漁船の転覆・沈没 52 隻以上
座礁 68 隻以上
一部損壊 176 隻以上
流出 44 隻以上(18 隻が新潟県の沿岸に漂着)
カキ等の養殖施設5件の破損等、
60 漁港で防波堤、岸壁、臨港道路の損傷等(志賀町から珠洲市の外浦海域の漁港では、地盤隆起による海底露出)の被害
漁業集落排水施設 13 か所で損傷等
水産業共同利用施設(荷さばき所等)34 か所で損傷等
漁業用施設 75 か所で損傷等
<2024年8月16日北國新聞記事>
奥能登につきましては、先日の能登豪雨により甚大な損害が出てます。
ということで
能登半島地震の発生から9か月。
地震だけでも大変なのに、奥能登には豪雨。
もう、なんといっていいのか、言葉に詰まります・・・
震災と豪雨を乗り越えるため、
良い方向で、ひとつひとつ問題解決されることを祈るばかりです。
ではまた
また、よろしくお願いいたします。