MENU

皇位継承問題の急所

ラベンダー

こんにちは、ラベンダーです。

いろいろ書くべき課題が山積みですが、仕事も忙しくなってきて、ちょっと大変です。

篠原常一郎の訴訟問題の続きがありますが、それは置いといて、

皇位継承問題を緊急に書きたいと思います。

今回の皇位継承問題は、悠仁親王誕生以降の一連の流れの延長線上にあります。

皇位継承問題の時系列
  1. 平成18年 小泉内閣、悠仁親王誕生により、女性・女系天皇推進を破棄
  2. 平成24年 野田内閣、女性宮家等についての「論点整理」
  3. 平成29年 安倍内閣、天皇の退位等に関する皇室典範特例法を制定し、生前退位を実現。
  4. 令和3年 「特例法に対する附帯決議」に関する有識者会議
  5. 令和6年 「特例法に対する附帯決議」に基づく国会検討

上記、①~⑤を順に追っていくと、ここまで来た経緯が明らかになります。

以前、ご希望をうかがった際、所定数に達しましたので、この経緯の説明はいずれ書く予定です。

ただし、今、皇位継承問題は、10~20年に一度あるかないかの勝負所ですからね。

いつになるのかわからない解説をしてたのでは、この超重要な時期を逃します。

そこで、今日は緊急に、

皇位継承問題の急所

と題して、急所になる部分だけを簡単に説明したいと思います。

とにかく本質に迫ってみたいと思います。

なお、最初に言っておきますが、

本記事は、あくまで一般人向けの記事で

男系男子がダメとか、女系がいいとか、そういうことは申し上げておりません。

愛子天皇支持か?男系男子支持か?みたいな党派的な話はしてません

その点は、毎度の繰り返しになりますが、よろしくご理解ください。

なお、今、問題になってる皇位継承問題についての概説は、以下の記事をご参照ください。

<皇位継承問題の記事> 

目次

はじめに

はじめに、一般人の方々にとって、

この問題がどうしてわかりにくくなっているのか、について。

ひとことで言えば、雑音が多すぎること。

女性・女系天皇の実現を希望する立場(便宜上「女系派」と略す)、男系男子を堅持する立場(便宜上「男系派」と略す)の双方が雑音を言い過ぎてるために、本質が見えにくくなってるのが原因です。

特に、評論家とかビジネスの人とかは、自分たちの名声や収益が大切なので、無駄にいろんな話をします。

要するに、商売のために、ゴチャゴチャと細かい話をし続ける。

しかも、考え方が偏った人が多いので、ウソとか妄想とかも多い。

マニアからすれば、それはそれで楽しめるでしょうけど、一般人からすれば話がどんどん混線していって訳が分からなくなりますよね。

実際、皇位継承にハマってる人って、頭アレな人、少なくないでしょう。

まともに情報収集しても、雑音が多すぎて理解が進まないと思います。

雑音は適当に無視しよう。

だから、冷静な現状を書くという意味は大きいので、

当ブログでは、定期的に皇位継承問題の冷静分析を書いておきたいと思います。

最大の争点は?

さて、

一般人の皆さんが、一番興味あるのは、

将来、誰が天皇になるか?

ですよね。8割、9割の人はそれでしょう。

それ以外のことは、興味ないという人も多いと思います。

で、今回の皇位継承問題の動き。

最大の争点も同じ。

将来、誰が天皇になるか?

皇位継承資格の問題。

皆さんが、興味ある点と同じです。

「雑音が多すぎて」見えにくくなってるだけ。

門地差別がどうこうなどは雑音。

そういうマニア向けの話は気にしないで、まっすぐに

将来、誰が天皇になるか?

それが最大争点だと理解しておいてOKです。

ただし!

現在の進行を追ってみると、

この争点を隠したまま、

国民を欺いて事を進めてしまおう

とする動きになってます。

それが隠れた一番の問題点です。

現状の方向性

では、現状は、どういう方向になってるか。

おおざっぱには、こういうこと。

現状の進行方向

1.皇位継承(資格)問題と皇族数確保の問題を切り離す

2.皇位継承(資格)問題は、今は議論しない。

3.皇族数確保の問題は

(ア)内親王(女王)の生涯皇族化を実現させる

(イ)旧宮家男系男子を養子縁組によって皇族復帰する

(ア)(イ)で十分な皇族数が確保されない場合は、

(ウ)旧宮家男系男子を直接皇族とする

この方向性。

どこまで立法化されるかは不透明ですし、今会期内に実現するかも不透明。

ただ、この方向性で進むことは間違いなさそうなので、これが実現すると想定して話を進めます。

冷静に、この方向性を見た場合。

妙なことに気づくでしょう。

ハッキリいって、おかしなことだらけです。

皇位継承資格の議論をしない

まず、「1.皇位継承(資格)問題と皇族数確保の問題を切り離す」としたうえで、

2.皇位継承(資格)問題は、今は議論しない。」としてます。

何で議論しないのでしょう?

何で議論やめちゃうのでしょう?

皇位継承資格の問題なんて、1カ月や2カ月で決められる問題じゃありません。

だから、将来に備えて、今から協議会でも立ち上げて、3年なり5年なり議論したらいいでしょう。

議論して、誰か困る人でもいるのですか?

皇位継承資格の議論を強引にやめてしまうのはなぜ?

議論して、誰かに迷惑かけるわけでもないのに、強引に議論をやめてしまう。

おかしいでしょう。

議論して、何か困ることでもあるのでしょうか?

男系男子だけを養子縁組で皇族復帰させる

皇位継承資格の問題は議論しない。

あくまで皇族数の確保だけ、としてます。

じゃあ、仮に、それが本当だとして、

数の確保ということなら、ターゲットを男系男子に限定する必要はありませんよね。

皇位継承資格の問題は、関係ないんでしょう。

ならば、男系女子でも女系男子でもいいはずです。

そのほうが、皇族数の確保の選択肢が増えるのはいうまでもありません。

特に、愛子内親王や佳子内親王のような「男系女子」を生涯皇族として認めるなら、「男系女子」も養子縁組で皇族復帰させる可能性を認めるのが筋でしょう。

そもそも雅子皇后や紀子妃のように、民間人でも結婚すれば皇位継承権を持たない皇族として皇族資格が認められるのだから、男系女子や女系男子に認めても何ら問題ないはず。

皇族数の確保でしょう。

なのに、なんで「男系男子」しか、ダメなんですか?

まったく何の説明もありませんけどね。

皇位継承資格の問題は、関係ないんでしょう。

皇位継承資格問題の議論は先送りしたんでしょう。

先送りということは、将来、女性女系天皇容認の可能性もあるはずですよね。

にもかかわず、

男系男子のみが養子縁組の対象になるのはなぜか?

わざわざ説明しなくても、

その理由。

何となく皆様も察しがついてますよね。

自民党案では、「養子は皇位継承資格を持たず、その後に生まれた男子が皇位継承資格を持つことが適切」としてます。

皇族数の確保は見せかけ。

本当は、

男系男子皇位継承者確保のための養子縁組。

汚いやり方ですよ。

今回の問題の本質

今回の「安定的な皇位継承」と称する問題の本質は何か?

俗に、一言で言えば

卑怯者

ということですね。

やり方が汚い。

つまり

皇位継承資格の問題は議論しない。

皇位継承資格の問題は関係ないといいながら、

男系男子を促進する方向へ制度設計がなされている。

「男系男子」が良いか悪いかの議論をさせないようにしながら、「男系男子」を促進する立法を成立させる。

こういうのを社会常識では

卑怯

と呼ぶのではないですか。

日本は、イスラム原理主義国ではなく、自由と民主主義の価値観を有する国民主権の国なんですよ。

男系男子を促進する立法をするなら、まずは男系男子の是非を国会の議論を通じて、主権者である国民に問わなければなりません。

憲法1条に書いてあるでしょう。

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。(赤太字はラベンダーによる)

だから、堂々と国民的な議論をすべきです。

徹底的に、皇位継承資格の議論をすべきですよ。

それこそが

主権の存する日本国民の総意に基く。

という日本国憲法の要請するところ。

にもかかわず、国民主権を無視するように

皇位継承資格の問題は議論しない。

として、女性女系天皇への動きを完全に封じてから、

コソコソと男系男子を促進する立法を成立させようというのですから、酷い話ですよ。

何度も言いますが、

愛子天皇支持か?男系男子支持か?みたいな党派的な話はしてません

そういう問題じゃない。

今回の「安定的な皇位継承」と称する問題。

やり方が汚いということ。

今回の動きをまとめると、

「安定的な皇位継承」と称する動きの本質

1.皇位継承資格の議論をさせないようにする

2.そして、皇族数の確保という名目で

3.「男系男子」を永久化するような法律の制定を目指す

早い話が

八百長

「男系」VS「女系」の論争はしないようにして、

政治力を使って

一方的に「男系派」が自分たちに有利になる法律を成立させるだけ。

詐欺みたいなものです。

国民に「男系男子」の信を問うことなく、

皇位継承資格の問題は議論はさせないようにして、

「男系男子」を永久化する立法を成立させる

それが最終的な到達点であろうと思われます。

国民無視して、陰でこっそりと決めてしまおうというわけですよ。

真面目に言えば、

国民主権の否定

ですし、

俗にいえば

卑怯者

ですよ。

繰り返しますが、

男系男子主張がダメとか、女系がいいとか、そういうこと言ってませんよ。

そういう党派的な話はしてません

「男系」「女系」について、正々堂々と国会で徹底的に議論しないで

こっそりと男系男子を推進する法律を作ろうとする

やり方が汚い

ということです。

今後の展開

今回の出来事は

1.皇位継承資格の議論をさせないようにしつつ

2.「男系男子」を永久化するような法律の制定を目指す

という話なので、そもそも「男系」VS「女系」の論争にはならないし、

「女系」が勝つ可能性は、最初からありません。

八百長みたいなものですが、どうしようもないですね。

焦点としては

(ア)どこまで将来の女性女系天皇の可能性を残すか

(イ)どこまで男系男子永久化の法整備が進むか

そういうことになります。

男系男子永久化の法整備というのは

1.「ゆるがせにしない」を国会承認

2.女系皇族を明確に否定

3.男系男子皇位継承者のバックアップとして、養子縁組プラン

4.養子縁組プランのバックアップとして、直接皇族プラン

こうやって、2重3重に、女系天皇への可能性を法整備によって断つ。

で、結局、15年くらい経過した後に、女系の議論を始めようにも、

女系天皇の目はことごとく摘み取られてるので、男系男子を継続するしか道はない。

そういう展開を目指しているのでしょう。

公に、まともな「男系」「女系」の議論をしないまま

知らないうちに男系男子が永久化

そういう筋書きですよ。

なので、結論は最初から決まってるので、

「男系」VS「女系」の対立にはなりません。

そもそも試合に参加せさないのが狙いですからね。

八百長で勝つのが男系派の作戦ですから、

正攻法では、やりようがありません。

状況は、女系派には厳しいものとなってます。

ただし、

もしかしたら、政治情勢の変化が影響するかもしれません。

「有識者会議」の報告書が出た段階では、自民党は強かったのですが、ご存じの通り現在の自民党は大逆風にあります。

もし、メディアとか運動とかで、「男系」VS「女系」の論争が起こる。

この「安定的な皇位継承」と称する問題が、与野党の争点化する。

そういう展開になれば、法案を成立させるのは容易ではないと思います。

自民党というか、男系男子派は、

国民にわからないように、こっそりと、男系男子永久化への法整備を進める

という方針。

つまり、不戦勝を狙っているわけですが、

争点化してしまえば不戦勝は消えるので、今の逆風自民党では、法案の成立は容易ではありません。

だから、カギになるのは野党。

つまり立憲民主党です。

立憲民主党が、どこまで徹底交戦するか。

そこが勝負の分かれめになるでしょうね。

「皇族数確保策」会議で各党が意見表明 
今国会の成案目指す“女性皇族は結婚後も皇室”に賛同も子の扱いで溝

 国会では17日午後、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が初めて開催され、与野党各党の代表者が、皇族数の確保策や皇位継承の安定化策について約1時間にわたり意見を表明した。会議は今後、週1回のペースで議論を行い成案を目指す方針で、額賀衆院議長は「可能な限り今国会中に取りまとめたい」と述べた。

 会議は衆参両院の正副議長が主催し、自民党からは麻生副総裁や茂木幹事長、立憲民主党からは野田元首相ら、日本維新の会からは馬場代表など、各党のトップや幹部が出席し、政府からは林官房長官が同席した。

 会議で各党は、政府有識者会議が2021年末の報告書で皇族数の確保策として示した「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」案と、「皇統に属する男系男子を養子縁組で皇族とする」案についての意見を中心に意表明した。

 自民党は、皇族確保策については「内親王・女王に婚姻後も皇族の身分を保持していただくことは皇族数の確保のために必要だ」とし、その場合には女性皇族の夫や子は皇族の身分を持たない考え方を示した。また、皇統に属する男系男子を養子縁組して皇族とする案についても「皇族数確保、安定的皇位継承のため必要な方策だ」との考え方を表明し、政府有識者会議の案に賛同した。現在の皇位継承の仕組みを変えることには極めて慎重な姿勢を示した。

 立憲民主党は、有識者会議の報告書が「安定的な皇位継承確保の課題」と「女性宮家の創設」についての要請に十分応えていないと指摘し、この視点に関する本格的な検討が必要だとの立場を示した。

 その上で、女性皇族が結婚した後も皇族の身分を保持する方策については賛成の姿勢を示した上で、夫や子も皇族の身分とすることも検討すべきだとの考えを表明した。

 また、男系男子の養子縁組案については「現実的に養子の対象となり得る方がいるのかを、その方の意思とともに慎重に確認した上で、制度設計の議論に移らなければならない」と慎重に進める必要性を強調し、養子縁組が可能な資格を11の旧宮家に限ることは、憲法の平等原則に反する疑いがあることを指摘した。その上で「議論の経過を国民にしっかりと提示していくべきであり、国民世論の動向も踏まえるべきだ」との考えを強調した。

 公明党や日本維新の会、国民民主党は、政府有識者会議の報告書の皇族確保策に賛同する姿勢を示した。その上で公明党は「当事者である皇族の方々の思いを踏まえる」との観点を指摘した。

 一方、共産党は天皇を男性に限定する理由はないとして女性天皇・女系天皇を認めるべきだとした上で、男系男子の養子縁組案には反対を表明。れいわ新選組は、政府に幅広く国民の意見を聞くよう要請し、参院会派「沖縄の風」も女性・女系天皇容認論を唱えた。

 会議終了後、額賀衆院議長は、今後毎週1回木曜日に会議を開き、各党の意見を整理した上で、とりまとめに向けて誠意を持って議論していく方針を強調した。ただ、立憲の野田元首相は、議論を急ぐ必要性に言及しつつ、今国会での成案について「このペースではとても無理じゃないか」と疑問を呈していて、とりまとめの行方は不透明となっている。

2024年5月17日 FNNプライムオンライン

ということですが

個人的は、政治情勢の変化により、法案成立の行方はわからなくなったと思ってます。

さっきも言いましたが、「女系派」の勝ちは、最初からありません。

そもそも「男系」「女系」の問題ではない。

皇位継承資格の問題は議論させないようにして、

男系男子を永久化する法律整備

八百長で完全勝利する

という汚いやり方。

が男系派の描いたシナリオのようですが、

これが実現するかどうかは、何とも言えない感じになってきました。

だから、

今、

女系派としては、どんどん運動を盛り上げていく意味はありますし。

世間がこの問題を取りあげれば、争点化される。

争点化されれば、簡単に

国民にわからないように、こっそりと、男系男子永久化への法整備を進める

なんてことはできませんからね。

逆に、男系派もこのチャンス、

男系男子を永久化する法律整備のチャンスを逃したくないでしょうから、巻き返しに動くかもしれません。

いずれにせよ、10年か20年に一度、あるかないかの勝負所ですから、それぞれの立場の人たちは目いっぱい運動なり暗躍なりするでしょう。

夏まで、興味深い展開が続きます。

ということで

今日は、ざくっと全体概要を述べただけで、この問題については論じるべきことが山のようにあります。

どこまでやれるかは、何ともいえませんが、

さらなる分析や解説をご希望される方は、いつものように激励の「いいね」ください。

よろしくお願いいたします。

ラベンダー

ではまた

Subscribe
Notify of
guest

1 Comment
Oldest
Newest
Inline Feedbacks
View all comments
寝太郎
寝太郎
1 month ago

とてもわかりやすく男系派の欺瞞が指摘されていて感心しました

国民がどれだけこの問題に関心を持つかが鍵ですね

目次