こんにちは、ラベンダーです。
今日は、能登半島地震について。
北陸のみなさんは、地元局がいろんな報道するので、あまり感じないかもしれませんが
こちらでは、通常、被災地のことが報道されることは、ほぼゼロです。
毎月1日には、発災●カ月という報道がありますが、それだけです。
誰も話題にもしないし、完全に忘れられてます。
数字上、政府が能登を冷遇してるのは明らかですが、何の話題にもならない。
そういう厳しい現実を踏まえて、私の復旧・復興についての考え方を述べたいと思います。
結局、復興を一言でいえば
カネとヒト
それにつきると思ってます。
<前回の記事>
カネがないと何もできない
復興を実現するのは
カネ
いくら綺麗ごと言っても、カネ💴がないと何もできません。
「市役所の人は頑張ってる」とか、「工事の人たちはよくやってる」とか、感謝するのはいいと思いますよ。
けど、個人が頑張ってどうなるレベルの話ではないんですよ。
復興は進んでると力説する人。
復興は順調だという人。
それは個人の主観なので、好きに感じればいいと思います。
けど、「復興は進んでる」「復興は遅れている」
どちらの主観を持っていたとしても、
現実に、
能登へ大きなカネが投入されないことには、どうにもならない。
倒壊家屋を解体するのもカネ💴
道路を舗装するのもカネ💴
他府県の水道業者を呼んで、工事を加速するのもカネ💴
浄化槽を修理するのもカネ💴
雇用を回復するのもカネ💴
避難所の待遇を改善するのもカネ💴
ぜ~んぶ、カネ💴の問題。
「復興」の議論で、カネの問題を言わないのはあり得ないですよ。
カネ💴💴💴が多いと、早く復興が進む。
カネ💴が少ないと、復興はなかなか進まない。
単純な話です。
カネの話を度外視して、主観や精神論を言っても意味ないんじゃないですか?
能登に十分なカネが投入されているのかどうか?
カネの使い方に問題はないのか?
それを精査しないで、
キレイごと言ってても意味ないでしょう。
それが私の基本的なスタンスです。
ただ、
そうは言っても、能登の人たちが、
「能登へカネよこせ!」
とは、言いにくいでしょう。
本音ではそう思っていても、能登の人たちは当事者であり受益者ですからね。
言えば、「生意気だ」と猛反発される可能性もあるし、嫌われると思います。
言いたくても、言いにくい立場。
だから、私たちのような外部の人間が代わりに声を上げる必要がある。
外部の人間がカネの話をするのが有効。
私は、嫌われても問題ないし、これは誰か言わなければならないので、
そういうスタンスでやってます。
人口流出が予想される展開
そして、カネと同じくらいに大切なのがヒト。
震災前から過疎化が進んでいた奥能登地域。
震災による人口減少、人材の流出が懸念されます。
ヒトの流出を止めるのもカネなので、カネがないとどうしようもないのは同じです。
けど、カネ使えば必ず止められるというものではないので、難しい問題です。
東日本大震災による津波で大きな被害を受けた陸前高田市の例を見てみます。
<陸前高田市人口推移>
震災直前(2010年)の人口が23300人
それまでゆるやかに人口減少してたのが、震災で一気に15%くらいの人口が減少。
その後の減少が続き、現在では17000人程度になってます。
震災直前から25%くらい減少。
しかも、総人口の40.7%が65歳以上の高齢者。
全国平均は、29.1%(2023)
厳しい状況になってます。
では、
この状況と珠洲市と比べてみます。
(2010年)の人口が17327人。(2023年)が12929人
驚いたことに、
震災がない状態で、陸前高田市と同じように13年間で約25%人口減少。
しかも、65歳以上人口は、6,673人ですから、
総人口の約51%が65歳以上の高齢者。
震災前からすでに、陸前高田市よりも厳しい状況と言えます。
そこへ、能登震災が来たわけですから、
人口減少・過疎化の危機的状況
と考えてもいいのではないでしょうか。
特に、震災前の段階で、
65歳以上の高齢者率がすでに50%超えてるので、
この震災による人口流出によって、60%超えてくるかもしれません。
そうすると、税収も減るし自治体サービスも悪くなる。
さらに15~64歳人口の流出が加速するという悪循環が予想されます。
「復興が進んでる」とか、呑気なこと言ってる場合じゃない。
今、大切なのは
「復興が進んでる」と思うのは自由ですが、
「復興が進んでる」けど、人口流出が続いていたら、意味ありません。
15~64歳人口の流出を止められるか。
今の段階では、それが一番大切なこと。
その点を必死に議論するなり、対策すべきだと思います。
ちなみに、奥能登2市2町の高齢化率は、以下のとおり。
(市町名)(総人口)(65歳以上人口)(高齢化率)の順番。
総務省統計局「統計でみる市区町村のすがた2023」より
輪島市 24,608人 11,327人 約46%
珠洲市 12,929人 6,673人 約51%
能登町 15,687人 7,910人 約50%
穴水町 7,890人 3,872人 約49%
だいたい人口の半分が65歳以上。
全国平均は、29.1%(2023年)
能登半島は、震災以前から、高齢化率が高く過疎化が進んでる地域。
そこへ震災ですから、厳しいですよ。
・・・
<震災後の能登地方の人口>2024年4月2日東京新聞より
本当の復興
ということで、
緊急時は、もちろん別ですが、
状況が落ち着いた今、被災地について検討すべき課題は
カネとヒト
だと考えてます。
特に、能登半島は、人口のほぼ半分が65歳以上である
超高齢化地域
ですので、
「復興は順調」とか、思うのは自由ですが、
人口の半分が65歳以上の高齢者なのに、15~64歳人口がこれ以上流出すればどうなるのか?
そこへの想像力を働かせてほしいと思います。
そして、人口流出を止めるには、カネが必要です。
ガレキが撤去されたとか、道路が回復したとか、そういう意味での復興だけでは何の判断もできない。
人口流出を防ぐことができるのか?
医療福祉系人材の流出を防ぐことができるのか?
人口の半分が65歳以上である現状から、さらに高齢化が進むのか?
etc・・・
という「人材」という点において、「復興」の成功、不成功を考えるべきです。
つまり
能登に一番必要なのは、ヒト。
ヒトを確保するには、カネが必要。
そういう意味で、
(ア)能登に十分なカネが使われているか?
(イ)カネの使われ方が、人口流出を止めるものになってるか?
という点を必死で検討し、よい施策をがんばって実行しないといけない。
それこそが、
本当の復興
につながるものだと考えております。
流れとしては、こんな感じ。
1.十分なカネが能登へ投入される
2.人材流出を止め、産業を回復する
3.魅力ある地域、稼げる地域に再生し、人口減少をとめる
先は長いです。
ただ、今、全力を尽くすのは、カネとヒト。
特に、人がいなくなっては、どうにもなりません。
今の段階で、「復興は順調」という人は、自分自身が生活の心配がない身分だから気楽に言えるのでしょう。
とても「順調」などと、言える状況じゃない。
高齢化率50%の激しい過疎地であることを忘れてます。
どんどん人口が減少し、人材が流出する。
輪島や珠洲では、発災3カ月で人口の約3%が流出してます。
そんな状況を止めてはじめて「復興は順調」と言えるのではないでしょうか。
ということで
今後の能登についての記事やポストは、カネとヒトを中心にやりたいと思ってます。
大震災がなくても、10年程度で20%くらい人口が減っていた地域。
人口の半分が65歳以上の超高齢化地域。
やっぱり厳しいですよ。
「復興は順調」「がんばってます」「感謝です」
それはそれでいいと思いますが、
そういう楽観的な話をして、人口減少、超高齢化が止まるのか?
宗教じゃないんだから、美しい言葉でなんとかなるものではないでしょう。
カネとヒト
能登が生き残るには、それにこだわらないと。
心地よい言葉ではなく、シビアな経済の話をすべきだと思います。
私は能登の人間ではないので限界はありますが、能登の「本当の復興」に役に立つような情報発信ができたらいいと思ってます。
やっぱり。
カネとヒト
経済ですよ。
そこを徹底的に掘り下げるべきだと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
<追記>
能登半島地震情報ページを新設しました。
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ではまた
今晩は
能登の件は歯がゆい気持ちでいっぱいです。テレビ報道では、壊れた家屋は空き家が多く、所有者が複数いて、撤去するのに承諾がとれなくて進まないというのが最大の理由といっていましたが、ネットの情報では、所有者がわかっていて承諾が取れている家屋の撤去も進んでないとのこと。テレビ報道にはあきれる事ばかりです。死んでるのは皇室報道だけではないですね。
お金を能登に回す具体的な方法は、やはり政権交代しかないのでしょうか。
万博を中止にして、金と人を能登に回すという政党があれば応援したいのですが。
四面楚歌の岸田さんが「万博中止、その財源と人は能登の復旧へ」と爆弾発言でもすれば、支持率上がるのではないのかと思うのですが、能登も助かる、自分も助かる、そういう想像力も無くなってしまってるのでしょうね
ふくろうさん こんにちは
安倍さんは、熊本地震の際には、予算措置をしっかりしました。
岸田さんとは対照的です。
海外支援がやる気マンマンですが、能登へはヤル気がない。
政権うんぬんもありますが、まずは、総理大臣の違いが大きいのでないかと思います。
確かに、歯がゆいですよね。
またよろしくお願いいたします。